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日本民藝館へ

東京は日を追って暖かさを感じるようになりましたね。
春一番ももうすぐ!のはず。

先日、「日本民藝館」に行きました。
柳宗悦を初代館長として、1936年(昭和11年)に設立された施設です。
現在、特別展「日本の古人形-三春・鴻巣・堤など-」が開催中(3/21まで)。
期間中、旧柳宗悦邸が公開される日があるので、それに合わせて行きました。

柳宗悦は、濱田庄司や河井寛次郎と共に「民芸」という概念を
生み出し(それまでなかったらしい)、日用工芸品、特に手仕事のもの作り、
用の美の大切さを唱えて「民芸運動」を起こした人。

著書「民藝とは何か」や、「工藝文化」などに共感。
手仕事に対する彼の並々ならぬ愛情と情熱が伝わってきます。

観賞するための美術品ではなく、暮らしの中で使うための工芸品。
その中に見いだす用の美。

中国陶磁でいえば、皇帝や貴族のための官窯ではなく、
民間人が日常に使うための民窯ですね。
例えば宋代の定窯(官窯)に対する磁州窯(民窯)。
定窯の至高的な造形美に比べて、磁州窯の器は、大らかさが魅力。
のびのびと描かれた絵柄は、これぞフォークアートの美。
また、定窯は、北宋が滅びた時に生産が止ったけれども、
民衆の日用品として需要があった磁州窯はずっと続いてきました。

日本民藝館に展示されたコレクションは、主に柳宗悦が集めたり、
普段使っていた暮らしの工芸品たち。
シンプルでいて、どことなく温かみを感じさせ、たしかな手仕事ばかり。
衣服などの布も良かったな。
まさに「用の美」を見つける柳宗悦の眼に感銘を受けます。

アジアの国々を旅すると、そういう物たちに出会う機会があります。
地方の村の民家でさりげなく使われている道具など。
大量生産の波に押されず、手仕事の技術がなんとか残ってほしいな。

それから、私の興味はどうしてもやきものに。
柳宗悦は、朝鮮李朝もので有名ですが、中国陶磁も集めていました。
とても興味深いことには、民窯として通常筆頭に上がる磁州窯や龍泉窯がない。
彰州窯というやきものが展示されていました。
また、明代の染め付けも、他で見ないようなこれまたレアな感じのものたち。
そういえば、中国古陶磁はあまりに有名なので、あえてそれほど目を向けなかったと、
どこかで読んだかな。

あと、バーナード・リーチ作のやきものが良かったです。
素朴な日本的エッセンスに軽やかさが練り込まれているような雰囲気。
兎の絵の皿とかいろいろ。
鉄絵の風合いなどは、どことなく磁州窯的。

民藝館は、どっしりした建物も素晴らしくて、
時間があったら半日ぐらい過ごせそうです。
また、向かいに立つ柳宗悦邸も訪問して、すみずみまで見学。
一階の和室に入ることができたので、畳の上に座って、
その家に住んでいる気分で、窓から外や庭をのんびり眺めてみましたよ。
ここ定位置!と密かに思いました。

庭に、見事なしだれ桜の木がありました。
管理の人によると、桜が咲いたら、窓を全て開け放って、
どこからでも見えるようにするそうです。
さぞや美しいことだろうなあ。
4月の初めに新たな特別展があるので、また行きたいと思います。
その時は、先日の窓辺に座って、ぜひゆっくりと桜を眺めたいものです。

民芸館はミュージアムショップも充実していて、
帰りがけに、手ぬぐい(収集中!)を買いました。
それから、少し立ち読みしたら面白そうだったので
河井寛次郎の著作本「蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ 」を買いました。
明治生まれの陶芸家。
これまで知らなかったのですが、やきもの作りの精神などについて
心を打つ言葉の数々がちりばめられていて、人物に興味が涌いて
作品をたくさん見たくなりました。

窓あけて いのちの窓あけて もの見る (河井寛次郎)

そういえば、民芸館には若い世代の来館者が多くてちょっと意外。
若者の和風好みを実感しました。
日本民藝館へ_a0086851_4102931.jpg
旧柳宗悦邸

(Camera: ノキア携帯X02NK)
by mayumiish | 2011-02-25 02:00 | 日本 | Comments(2)


写真家です。文章も書きます ©Mayumi Ishii. All rights reserved.


by mayumiish

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