人気ブログランキング |

タグ:不都合な真実 ( 2 ) タグの人気記事

誰にとっても不都合な真実

先日、映画「不都合な真実」を観てきました。観た人はわかると思いますが、アメリカ前副大統領アル・ゴアさんの行動力はすごいですね。これまでにアメリカやヨーロッパ、日本、中国などを巡って1000回以上スライドショーの講演を行ってきたそうです。その講演内容を映画にしたこと(そしてDVD)は、より広く観てもらえる手段として、とても意義深いと思います。

ビデオやグラフなど、さまざまな具体的データを示しながら展開するこの映画で、二酸化炭素と地球温暖化の関係がなるほどー、といろいろわかりました。南極の氷から研究された過去60万年間の変化がグラフに出るのですが、これまでに数回の氷河期や温暖期を経た中で、現代の気温や二酸化炭素の急上昇はグラフの目盛りから出てしまうほどで、本当に異常なんだということが実感できます。

印象的だったのは、二酸化炭素量のグラフが右肩上がりのジグザグなのですが、一年のうち、植物の多い北半球で春夏に当たる時期は二酸化炭素量が低く、秋冬にあたる時期には高くなるのだそうです。その理由は、春夏は木々の葉が二酸化炭素を吸収して酸素を放出し、葉が落ちる秋冬はその活動が減るので二酸化炭素が吸収されないためとのこと。近年に二酸化炭素の量が増え続けているのは森林の減少とも関係があるはずで、その意味でも地球上の森は今や非常に貴重になっているのですね。

その話を聞きながら、2年前にマレーシア・ボルネオ島の上空から見た視界いっぱいのパームヤシ・プランテーションを思い出しました。ボルネオ島には、上空から見るとモコモコの緑のじゅうたんのような美しい熱帯雨林があります。それが減って、点々とミシンがけしたような景色に見えるパームヤシのプランテーションが以前よりかなり広がっていたのです。2006年9/26のブログにも書きましたが、「エコ」とか「ナチュラル派」と言われるパームヤシオイル(石鹸や洗剤などの原料)の需要が増えたために、プランテーションが巨大なビジネスチャンスになるのでしょう。「ナチュラル派」どころか、あの熱帯雨林の減少も二酸化炭素量上昇(そして動植物など生態系の破壊)の原因の一つではないかと思えるし、ボルネオ島の位置的に日本や東アジアに影響が大きいのでは、と改めて思いました。

また、もう一つ印象的だったのは、ゴアさんのリサーチによると、環境や地球温暖化についての研究者900人余りの中で、過去数年間の間にその危機を否定した人は一人もいないのにかかわらず、アメリカのメディアに載った記事の約50%が温暖化に懐疑的な内容だったそうです。やはり不都合な真実からアメリカ国民の目をそらすための圧力なのでしょうか?そうなるとメディアからの情報を受け取る側も注意深くなる必要がありますね。

それにしても、ゴアさんってそんなに環境派だったんだ?と初めて知りましたが、これらの行動の原点は、大学時代に地球環境の変化などについてのデータを教授から細かく学んだことなのだそうです。彼の半生(実家でタバコ栽培していた過去があったなど)を紹介する内容にもなっていて、そのあたりも面白かったです。

イギリス政府は、全国の中学校にこの映画のDVDを配布することを決定したとか。ただ、映画を観た後に現状を考えると、二酸化炭素排出量(2000年)が第1位(約25%も)のアメリカに変わってもらわないことには地球レベルでの改善は難しい気がしました。まだまだ経済発展中の中国が第2位というのも気になります。ちなみにイギリスは第7位です。この映画はわかりやすいし、意識を変えるのに効果的だと思うので少しでも多くのアメリカ人と中国人に観てもらいたいです。私もさっそく、まだ観ていないというアメリカ人の知り合いに勧めました。日本はというと、面積が小さい割に2000年の段階では排出量が第4位だったので、やはり努力が必要ですね。

日本版「不都合な真実」サイト?と思えるほどに、いろいろなデータが満載されたわかりやすいサイトを見つけたので載せておきます。

全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)

ちなみに、日本での排出量(2004年)1位は工場などの産業部門、2位/運輸部門、3位/オフィスなどの業務部門、4位/家庭部門だそうです。家庭は1990年から2004年までに31.6%多くなっています。家庭から排出される二酸化炭素量の第1位(2004年)は自動車(31%)で、次が照明や家電製品(30.6%)、暖房、ガス給湯とのこと。家庭での使用削減はガソリン代、光熱費など家計の経費削減にもなるのですぐにできそうですね。
by mayumiish | 2007-03-05 18:15 | 地球・自然・エコ | Comments(2)

映画と社会

今年のアカデミー賞は話題がたくさんでしたね。マーティン・スコセッシが「Departed」でとうとう悲願の監督賞や作品賞を受賞したり、惜しくも受賞できませんでしたが、日本の女優や「硫黄島からの手紙」がノミネートされたりと。

そして、日本でちょうど上映中の話題のドキュメンタリー映画「不都合な真実」が、ベスト長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。この映画に登場し、地球温暖化の危機を説いて回っている前アメリカ副大統領アル・ゴア氏は、この活動によって今年のノーベル平和賞にもノミネートされています。

このところ、現代社会へ問題を投げかける映画がメジャーな注目を集めるようになりましたね。マイケル・ムーアの「ボーリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」のヒット頃からでしょうか。日本では現在、タンザニアのビクトリア湖の魚を巡る環境破壊の映画「ダーウィンの悪夢」がヒット上映中だそうです。

ところで、今月はベルリン映画祭もありました。毎年仕事で行き、つい先日映画祭から帰ってきたばかりの友人Yさんによると、今年は日本のドキュメンタリー映画「選挙」に現地の注目が集まったそうです。内容は、川崎市議会の補欠選挙に立候補した素人の新人候補者の選挙活動を淡々と追ったものだとのこと。監督はNY在住の日本人で、その候補者に知己があり、立候補することを知って映画を撮影することにしたとか。

日本でおなじみの選挙活動風景(名前をひたすら連呼、なぜか白手袋などなど)は日本人にとっても異様に思えますが、ベルリン映画祭の観客たちにはさらにウケていたそうで、監督にたくさんの取材が殺到していたとのことでした。日本での配給も決まる予定らしく、ぜひぜひ観たいものです。今年は日本も選挙イヤーだし、きっとヒットするのではないでしょうか。

映画が社会の現状にスポットを当てて、一般の人々をインスパイアする現象は「不都合な真実」のヒット(アメリカでもヒットだそうですね)を機に、これからもますます大きくなりそうな予感がします。実際に「映画を観てアクションを起こそう」という主旨のサイトPARTICIPATE.NETがあります。オークションサイトe-bayの創業者であり、ソーシャル・アントレプレナーのジェフ・スコール氏のスコール財団が作った組織です。コンセプトは、Movies have the power to inspire. You have the power to act. Participate! 。どう社会にアクションを起こすかの提案や情報が満載で、とても役立ちそうなサイトです。

などといろいろ書きつつも、「不都合な真実」をまだ観ていないので、今日は原稿仕事を早々に切り上げて、これから映画館で観てきます。
by mayumiish | 2007-02-26 16:13 | 地球・自然・エコ | Comments(2)


写真家です。文章も書きます ©Mayumi Ishii. All rights reserved.


by mayumiish

更新通知を受け取る

カテゴリ

全体
PROFILE
MEDIA
アジア
ヨーロッパ・アフリカ
アメリカ・オセアニア
日本
PHOTOGRAPHY
地球・自然・エコ
ヨガ的生活
フルーツ断食
フェアトレード
ボルネオ島
アート
人々
ARCHIVES
ARCHIVES(リゾート系)
WEB WORK
フォトボランティア
つれづれ
東日本大震災関連

最新の記事

謹賀新年 2020
at 2020-01-06 00:17
「週刊朝日」歴史をたどる旅 ..
at 2019-11-27 15:52
『第23回 写真家達によるチ..
at 2019-11-20 22:44
『婦人画報』12月号/フラン..
at 2019-11-08 23:20
ボランティアの心
at 2018-07-17 00:12

外部リンク

ライフログ

食べるヨガ―今日からはじめる菜食レシピ48 (vela BOOKS)

検索

以前の記事

2020年 01月
2019年 11月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 01月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
more...

タグ

i2i

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

その他のジャンル