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カンボジアの絹織物をなりわいとした森本喜久男さん

カンボジアの絹織物をなりわいとした森本喜久男さん_a0086851_02572478.jpg


今晩ツイッターを見ていたら、ショックなニュースがタイムラインに流れてきました。

カンボジアで長い年月、絹織物作りにたずさわり、「クメール伝統織物研究所」(IKTT)を主催していた森本喜久男さんが、7月3日にお亡くなりになったそうです。IKTTのフェイスブックページを見たら、悲しいことに、たしかにそのように書かれてありました・・・。

森本さんには10年以上前、雑誌の取材で一度だけお会いしたことがあり、その時は大変にお元気で、気さくな方という印象がありました。カンボジアのシェムリアップで高床式民家に住み、そこに絹織物の大きな工房を持っていました。村から機織り職人の女性たちを集めて、カンボジア産の黄金色のクメール生糸を育てながら、伝統的なやり方で手織りの絹織物を作る活動を行っていらっしゃいました。工房の糸車に巻き付けられたクメール生糸の鮮やかな黄色を今でも覚えています。

森本さんはもともと京都で友禅のお仕事をしていたそうで、内戦後にかなり廃れてしまったカンボジア伝統の織物の状況について現地で調査をしたことが、カンボジアの絹織物との出会いだったようです。森本さんが、「当時、ユネスコのためにレポートを作ったんですよ」と、ご自分で作ったA4サイズの冊子を私にくれました。そこにはカンボジア各地の織物の村々、作られている織物の種類などが詳しく書かれていて、今でも大事にとってあります。

その時にお会いして以来、ずっとごぶさたしていましたが、ガンで闘病中というニュースをインターネット情報で知りました。しばらく前、日本のテレビ番組でご活動が取りあげられていたようですね。

私はアジアの織物では、上品な光沢が美しいカンボジアの絹織物が一番好きで、伝統的なイカット(絣)の精緻さはずっと見ていても飽きないほどです。そんなカンボジアの手仕事は、ポルポト時代に一度消え、見事に復興したという歴史があるだけに、森本さんのお仕事はなおさら貴重だったと思います。

今年の1月、取材仕事で久しぶりにカンボジアに行ったのですが、プノンペンだけに行き、シェムリアップに足を運びませんでした。次回行く時にはIKTTにも訪問したいと思っていたので、森本さんの訃報は大変に残念です。残されたスタッフや職人さんたちの悲しみははかりしれません・・。心からご冥福をお祈りいたします。



# by mayumiish | 2017-07-06 02:22 | アジア | Comments(0)

ファインダーの中が大切


ファインダーの中が大切_a0086851_01055347.jpg


ホームページ(http://mayumiishii.com)を久しぶりにリニューアルしたら、自分の写真をあたらめてたくさん見る時間が増え、いろいろな思い出が心をよぎりました。

ホームページに載せた上の写真も思い出深いショット。アフリカ大陸の最南端、南アフリカの喜望峰です。この日は、ケープタウンからここに車で到着するまでの途中からずっと雨が降っていて、空に低くたちこめた雲のように心もグレー色だったのですが、喜望峰の海岸が見えた途端、空が晴れ始め、それは大きな虹がかかったのです。夕暮れ前の黄金色の光も射してきて。「あの虹が消える前に!」と車から飛び下り、海岸にダッシュして撮影したことを思い出します。

撮ることだけに集中した時間約15分ほど。時間が少しでもずれていたらきっと虹も光も見えませんでした。こういう時に、写真は「一期一会」を体感させてくれます。後で余裕が出てから、まさに喜望峰の名前にふさわしいなあと思いました。

先日、私がインスタグラムでフォローしているアメリカ人の秘境系写真家が、こんなことを書いていました。「PCのプログラムや編集アプリでいくらでもイメージを変えることができる今、逆にカメラの中で全てクリエイトされた写真のアートを見ることは快く、タフな撮影環境の中でもそれを追求する人の努力に、自分は価値や意義を感じる」。うん、そうだなと共感しました。

写真を撮る際、四角いファインダーの中を見つめてフレームに入れる要素を見極める時こそ、自分の直感と経験を生かす瞬間であり、苦労であり、何より写真を撮る楽しさを感じます。デジタルになる前、ポジフィルムでずっと撮ってきたせいかもしれません。だからか、写真を見る時でも、フォトショップで加工しすぎた写真にはあまりときめきません。

もちろん写真表現は人それぞれですが、息を止めてカメラのファインダーをのぞいているような集中心、心の感動が伝わってくるような写真に魅かれます。



# by mayumiish | 2017-06-29 01:52 | Photography | Comments(0)

ホームページをリニューアル

いろいろなニュースが駆けめぐる毎日ですね。
夏至が過ぎて、日が短くなっていくのがさびしいですが、夏はこれからが本番。
沖縄では梅雨が明けたそうですね。

長らくさぼっていたホームページをやっとリニューアルしました。
これまで、せっかく私のホームページを訪問していただいた方、特にお仕事関係の方に古いサイトをお見せして心苦しかったのですが、やっと更新できました。これからは新しい写真もアップしようと思います。

Bindというホームページソフトで作ってみました。ページをオープンする時に少し重いかなと心配なので、もし気がついたことがあればご遠慮なくコメントでも個別にもお知らせくださいね!

こちらから!↓

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。








# by mayumiish | 2017-06-24 14:29 | Photography | Comments(0)

日本のゆくえ

今晩、共謀罪法案をめぐり、深夜におよんで国会が開かれています。

TVを持っていないので、AbemaTVのアプリで国会中継を見ています。

共謀罪法案に反対です。

国連からも、日本のこの法案について人権やプライバシーなどを懸念する質問が出ているのに、無視しはぐらかして強引に進めるやり方に驚きますし、承認できません。
そもそも、テロ防止に関する法律はすでに存在しているというのに。

この法案は戦後日本の大きな転換点となりそう。悲しいです。

日本の国会議員には、自分の党や保身のためでなく、国民のために働いてほしいです。


【追記】

あああ・・・・。





# by mayumiish | 2017-06-15 00:54 | 日本 | Comments(0)

「カタコトの会 型彫り、型染め、カタヤブリ!」展

もう6月ですね。

キューバから帰った後、すぐにノルウェーを北から南へと旅する取材に行って、先週日本に帰ってきました。旅が続いて、時差ボケがなかなか治りません・・・。旅についても書こうと思いますが、その前に!

ご縁があって応援している染めの関係の職人さんたちが集まって作った「カタコトの会」の第一回展示会のお知らせです。「カタコトの会」とは、伊勢型紙を用いた染めものを行う職人さんや、伊勢型紙の彫り師職人さん、また、図案師さんなどが、染めの道具としての伊勢型紙を大切にしつつ、何か新しいことも起こしていこうという主旨で作られた会です。取材で知り合いになって仲良くしていただいている職人さんたちが参加していることから、私も仲間に入れてもらっています。

そして、今年、「カタコトの会」の第1回目として、5/30〜6/4の会期で展示会が行われています。内覧会と初日に会場に行きましたが、朝日新聞5/25の朝刊、東京版の記事に取り上げていただいたこともあってか、連日たくさんの方々にお越しいただき盛況です。

確かな技術を持つ職人さんたちの作品なのでどれも美しく見応えがあり、また職人さんたちによるクリエイティブなコラボレーション作品なども展示されています。小紋染め、長板中形、更紗、秩父銘仙など、伊勢型紙を用いる多彩な染めものをご覧になれますよ。また、綿を自ら畑で育てて、手紡ぎした糸で織る職人さんの作品もあります。

会場は、銀座線稲荷町にある、江戸からかみ東京松屋 4Fの広い展示スペースです。

毎日、講座や実演などもあるので、染めや和の手仕事がお好きな方に強力におすすめです!

Facebookのページもあるので詳細をご覧くださいね。

カタコトの会/Facebook

先日、内覧会で、大変にびっくりしたことが。
数年前に私が開催したポートレート撮影の講座を受けてくださった方が、偶然にもカタコトの会の職人さんたちとも知り合いで、内覧会にいらしていたのです!写真講座をした頃は、私はまだ職人さんたちと出会っていなかったのですが、先日、その方と数年ぶりに会場でお会いして、感動とともに、つながりの不思議さを感じました。再会できてとてもうれしかったです☆

カタコトの会展は6月4日(日)までです。お誘いあわせてぜひ!
「カタコトの会 型彫り、型染め、カタヤブリ!」展_a0086851_02061546.jpg

# by mayumiish | 2017-06-01 02:01 | 日本 | Comments(0)


写真家です。文章も書きます ©Mayumi Ishii. All rights reserved.


by mayumiish

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