人気ブログランキング |

<   2007年 04月 ( 5 )   > この月の画像一覧

温暖化でブータンも

ブータンから東京に帰ってきて、翌日、ヨガのクラスに出ました。ヨガでは毎回、ポーズの他に聖音「オーム」のチャンティングや短い黙想などがあるのですが、目を閉じるとブータンで見たヒマラヤの雪山や、寺院の精緻なマンダラ壁画などが心に浮かんできて、いつもよりもスピリチュアルで静かな気分になれました。胸を打つような風景や荘厳な宗教アートは、やはり人の心を静かにする作用があります。

ブータンで、かつての「冬の首都」プナカにある立派な寺院(ゾン)を訪問した時に、ある高僧とお話しする機会がありました。私と編集者のIさんが日本から来たと伝えると、そのお坊さんが、「あなたたちがこれまで徳を積んできたからこそブータンに来れて、ここで私たちが出会えたのですよ。これからも徳を積んで下さい」と言うのです。穏やかなまなざしで話すお坊さんの言葉を聞くと、素直に「そうなのかもしれないー」と思わせるものがあって不思議でした。

ところで、このプナカ・ゾンは、清流の川沿いに建っているのですが、現在、ゾンに行くために川を渡る仮の木橋がかかっていました。以前の橋はどうしたのかというと、1994年に大洪水があって流されてしまったのだそうです。その時は、付近に大きな被害が出たようです。大洪水の原因は、ヒマラヤ山脈に接したブータンの北部にあるルナナ地方の氷河湖の決壊とのこと。ヒマラヤにも温暖化の影響が出ているのですね。そうなると、川の下流にあるバングラデシュやインドで毎年起こる洪水も、ますます深刻度が増してきそうです。
by mayumiish | 2007-04-27 15:16 | 地球・自然・エコ | Comments(2)

ブータンの魔法

ブータンの取材旅から日本に帰ってきました。現地では毎日、話題満載だったのですが、ネットがほとんどできなくてブログが更新できませんでした。

ブータンでは、国内4個所にある「アマンコラ」ホテルに泊まりながら、編集者のIさんと共にティンプー、プナカ、ガンテ、パロの地方を車で巡ってきました。ブータンは初訪問でしたが、田園風景がどこか日本の眺めに似ているかと思えば、ヒマラヤの雪山が神々しく、そしてスピリチュアルな文化が色濃い国でした。

旅の始まりに、緋色の袈裟を身にまとったブータンのお坊さんがホテルまで来て、旅の安全祈願の儀式をしてくれました。お経を唱えてからクジャクの羽が入った壷の中の聖水を私たちの手に注ぎ、それを頭にかけると、最後に赤い糸を首に結んでくれました。糸は3日間ははずしてはならないとのこと。5分以内の短い儀式でしたが、チベットの声明にも似たお坊さんの低音の祈りの声を聞いて赤い糸を結んでもらった時から、魔法をかけられたように不思議とスピリチュアルな気分になって、それが旅の間ずっと続いたのでした。

ブータンには、日本では民話や神話で聞くような物事が現代にも起こっています。例えば、古代の高僧リンポチェの生まれ変わりという人が今もいて、人々は困りごとや病気の相談があるとリンポチェを訪ねるそうです。私たちのガイドさんのお兄さんもリンポチェで、ダライラマから手紙をもらったりダライラマに随行して世界を旅して歩いたそうです。

リンポチェにまつわる話しはどれも驚くことばかりです。ホテルスタッフの知り合いのお父さんが重病になったのでリンポチェのところを訪ねたら、リンポチェから「お父さんの年齢は59歳なので59匹の動物の命を助けることをしなさい」と言われたそうです。命を助けるとは、例えば魚を釣って(もともとブータンには魚釣りの習慣はない)その魚を川に戻すこと、カゴの中の鳥を逃がすこと、食肉になる予定の牛を解放すること、などだそう。そして、その家族は言われた通りに実行したのだそうです。

リンポチェの生まれ変わりだとなぜわかるのか、とガイドさんに聞いたら、子供の頃の挙動からとか、リンポチェの持ち物(帽子など)をほかのものと一緒に並べて子供に一つを選ばせ、生まれ変わりはリンポチェの持ち物をすっと選ぶのだとか(映画「リトルブッダ」で観たような!?)。

あちこちと撮影してきたのですが、今の季節、日の出が6時前と大変に早いものの、高い山々が遮って、朝の良い光の時間がとても短いのでけっこう苦労しました。そんな中、ゾンと呼ばれるお寺兼地方政府庁(ブータン独特の機能を持つ建築物)で高僧とお話をしたり、馬に乗って山に登ったりと、駆け足の旅ながらとても盛りだくさんだったので、少しずつまた書こうと思います。
by mayumiish | 2007-04-21 18:41 | アジア | Comments(0)

カンボジアのNGO

昨日カンボジアのシェムリアップからバンコクに来ました。ここで、今晩到着する編集者さんと合流して次の旅です。

今回、カンボジアではNGOの活動をする人々にもいろいろ会ってきました。この国には日本をはじめ、フランスやオーストラリアなどの多様なNGOがカンボジアの人々の援助、育成をしています。

その一つ、日本のNGO「かものはしプロジェクト」のプノンペンの事務所を訪問してきました。ここでは、カンボジアの孤児や家庭崩壊の子供を助けるNGOから、勉強のできる子を推薦してもらい、子供たちにコンピューターを無料で教えるPC学校の活動をしています。

事務所はプノンペンの通称ロシアンマーケットにほど近い場所にあります。現在、10台のノート型コンピューターを所有し、それらを使って午前と午後に分かれて学校帰りに子供たちが授業を受けています。12歳から18歳の子が学んでいるそうです。私が行った時は、エクセルソフトの使い方を練習していました。教師は若いカンボジア人です。

その日、クラスにいた一番若い子は13歳の女の子。話しを聞くと上手な英語で返事ができます。PCを学んで2ヶ月とのことでしたがすでにタイピングを覚え、PCの画面に「I like to study. I like football.」と小さな指先でタイプしてくれました。

コンピューターの作業を覚えれば今のカンボジアでは就職などに大変役立つと思うので、かなり効果的な活動だと思います。詳しくは「かものはしプロジェクト」のサイトを見てください。

ほかにも感心するユニークなNGO活動を見てきたのですが、ブログを書く時間があまりなくて紹介できません。とにかく、行くたびに変化が見てとれ、カンボジアは動いている、というのが強い実感です。

明日からはブータンへ行きます。
by mayumiish | 2007-04-10 09:32 | アジア | Comments(2)

黒い人さし指

a0086851_13322374.jpg昨日からシェムリアップに来ています。ところでカンボジアに着いたのは、地方選挙の前日でした。プノンペンに着いて空港からタクシーに乗ったら、私の大きなカメラバッグを見たドライバーに「選挙の写真を撮りに来たんですか?」と聞かれました。翌日の4/1が投票日だったのです。

選挙当日、せっかくだから(?)と、プノンペンに住む知り合いが投票所の見学に連れて行ってくれました。投票会場は日本と同様に学校の校舎です。学校の教師やボランティアが監視員をしていました。投票所はいくつかの教室に分かれていますが、現れる投票者はぽつんぽつんという印象で全体に大変のんびりとした雰囲気です。教室の中をのぞくと、椅子に座ったまま居眠りしている監視員がいたり、入り口近くでお弁当を食べている係員もいました。

緊張感がない投票所の背景は、カンボジアの第1党でフンセン首相が率いる人民党が圧倒的に強く、意外な結果になることはないと広く認識されているからのようです。実際、開票結果は予想通りでした。

写真を撮っても良いというのでスナップを撮りながら投票所をしばらく観察していると、投票を終えて教室から出てくる人の右手人さし指が必ず黒いことに気がつきました。二重投票を防ぐために、投票をした人のマークとして墨(?)の入ったツボに指を入れさせて黒い色に染めるのだそうです。同時に、選挙をさぼらずに投票に行ったことの証にもなるようです。
a0086851_13334359.jpg
でもこの黒い染料は強いようで「洗っても2,3日取れないんですよ」と会う人々が口々にぼやいていました。私も、織物の村などに行って人の手元を撮影する時に黒い人さし指が写ってしまうのでとても苦労しています。

選挙といえば、東京では都知事選の投票日がすぐですね。候補者の宣伝活動がいよいよ白熱の頃でしょうか。今回はユニークな候補者勢ぞろいですが投票率はどうなるでしょう。日本もカンボジアのように、投票した人がわかるようなマークをつけると徐々に効果が上がるかも?
by mayumiish | 2007-04-07 21:06 | アジア | Comments(2)

バイクで小トリップ

先月末からカンボジアに来ています。今は首都プノンペンに滞在中です。こちらは雨期直前の一番暑い時期で、気温は多分35度ぐらい。毎日とても暑いです。今晩は夜からのスコールが本降りになったようで、外はかなり激しい音で雨が降っています。

今日はプノンペンから、炎天下の中バイクを2時間飛ばして(といっても後部席)、ある絹織物の村に行ってきました。途中、広いメコン川をフェリーで渡り、たわわに実ったマンゴー林の中を抜け、土のでこぼこ道をジャンプしながらカメラバッグを抱えた小トリップです。この地域には車がほとんどなくて、バイクと自転車がほとんど。そして馬車や牛車が主要な運搬手段として活躍していました。

絹織物の村へは、プノンペンでクラフトショップを営む友人が連れて行ってくれたのですが、これまでほとんど外国人が訪れたことがないそうで、かなりピュアな村の生活を見ることができました。訪ねた家では、女性たちが機織り仕事、男性が米作り農家をしています。高床式になった家の敷地にはパパイヤやマンゴー、バナナの木がうらやましいほどの実をつけ、かなり自給自足の生活です。

カンボジアの米作りは2毛作で、現在ちょうど収穫シーズンです。その作業がひと段落ついたこの家族では、男性が暇になったからと、ご主人が調理を担当しているとのこと。お昼に、お手製のカンボジア家庭料理をふるまってくれました。メニューは魚のココナツ風味カレー、豚肉と野菜の煮物、パパイヤの漬物、白米です。どれも大変美味しくてびっくり。涼しいそよ風が吹き抜ける竹の縁台の上で食べたこのランチは、旅で時々遭遇する、忘れられない食事の記憶リストに加わりました。あともうしばらくプノンペンにいて、シェムリアップに移動します。
by mayumiish | 2007-04-04 01:37 | アジア | Comments(4)


写真家です。文章も書きます ©Mayumi Ishii. All rights reserved.


by mayumiish

更新通知を受け取る

カテゴリ

全体
PROFILE
MEDIA
アジア
ヨーロッパ・アフリカ
アメリカ・オセアニア
日本
PHOTOGRAPHY
地球・自然・エコ
ヨガ的生活
フルーツ断食
フェアトレード
ボルネオ島
アート
人々
ARCHIVES
ARCHIVES(リゾート系)
WEB WORK
フォトボランティア
つれづれ
東日本大震災関連

最新の記事

「週刊朝日」歴史をたどる旅 ..
at 2019-11-27 15:52
『第23回 写真家達によるチ..
at 2019-11-20 22:44
『婦人画報』12月号/フラン..
at 2019-11-08 23:20
ボランティアの心
at 2018-07-17 00:12
玉のごとく
at 2018-06-30 07:30

外部リンク

ライフログ

食べるヨガ―今日からはじめる菜食レシピ48 (vela BOOKS)

検索

以前の記事

2019年 11月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 01月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
more...

タグ

i2i

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

その他のジャンル