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3/10は東京大空襲があった日

3月10日は何の日か知っていますか?
この日は、1945年に東京大空襲を受けた日なのでした。

身の回りに実体験した人がいないこともあり、
現代の東京からいまひとつイメージしにくかったのですが、
先日、ある絵画の展覧会を見て、
その悲惨さが、まざまざと伝わってきました。

狩野光男氏という画家がいます。
江戸時代の狩野派、狩野梅雪の子孫とのこと。
彼は15歳の時に東京大空襲を体験したそうです。
その記憶を絵画に描いた展覧会を偶然に見たのですが、
はじめの1枚を見た途端、足が止まってしまいました。

実際に体験した人が画家の技量で描いたものなので、
リアルで臨場感があります。
文章でも絵画の各場面を説明していて、
東京大空襲の悲惨、悲しみが時を越えて伝わってきました。
過去のでき事は写真では撮れませんが、
記憶をもとに表現できるのは、絵画ならではですね。

ネットで彼の作品を見れるか探したら、
「きかんし」という会社が狩野氏の講演会を開いた時の
記録に、絵画が数点紹介されていました。
講演の言葉からも当時の様子や思いがはっきりと
浮かび上がってきます。
画家・狩野光男氏の絵と証言による東京大空襲/きかんし

飛んでくるアメリカの爆撃機、火災、大空襲から逃げて
言問橋のたもとに集まってきたものの、
船着き場で亡くなった大勢の人々。
行方不明の家族を必死で探す生存者・・・。

63年前のこととはいえ、
この日を体験した人々の脳裏には、
今もあんな光景がきっと焼き付いているのだろうと思うと、
世界中、昔も今も、犠牲になるのはいつだって民間人、
という事実に怒りを覚えます。

狩野氏は、悲惨な記憶と生き残ったことの負い目で
大空襲の体験をこれまで話すことができなかったそうです。
でも、今後こういうことがないように、また
亡くなった人の無念さを後世に伝えて、生き残った負い目を
いくらかでも軽くしたい、という気持ちになり、
数年前から絵を描くことにしたそうです。

負い目という部分が私には理解しにくいのですが、
当時の皇民教育から来ているのでしょうか?

東京大空襲では7万5千人以上の民間人が亡くなり
行方不明者も多数いたそうで、
ニューヨークの911テロよりも大規模な
犠牲者が出ています。

その大被害の慰霊碑はどこにあるのかと思ったら
墨田区の横網公園内に「東京都慰霊堂」がありました。
でも、なぜか関東大震災の身元不明死者と合祀された施設のようです。
この建物、以前は「震災記念堂」という名称でしたが
戦後の1951年に「東京都慰霊堂」に改称されています。
東京都慰霊堂/Wikipedia

そして同じ場所には
「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」
もありますが、これは戦後56年経った平成13年に
東京都が建立しました。
この施設については毎年、犠牲者追悼花壇のデザイン画を
公募しているようです。
東京空襲犠牲者追悼 花壇デザイン画を募集/東京都

また「平和記念館」の設立案も10年来あるようですが、
そのコンセプトや内容について激しい対立があり、
実現していないもようです。

東京都慰霊堂は、都の歴史的建造物でもあります。
この施設について、
東京都都市整備局では、
「東京の防災のシンボル」と説明されていますが、
東京大空襲についての記述がないのはギモンではないでしょうか。

3/10は「東京都平和の日」に制定され(平成2年〜)、
13時に黙とうなどの式典があるようです。
東京都平和の日/WEB広報東京都

毎年、この日についてのニュースがあっても
なんとなく受け流していましたが、
メディアではどういう扱いなのか、今年は注意したいと思っています。
by mayumiish | 2008-03-07 23:11 | 日本 | Comments(14)
Commented by ゆきなび at 2008-03-08 21:52 x
この時近所の駄菓子屋のお母さんは中学生で
伊勢原から東京方面が夜なのに真っ赤に光りまるで朝日が昇ってくるかのようで
皆でどうしたんだろうと話していてその時は何が起こっているのか分からず
後から空襲だと知らされ驚きましたと話してくれたことを思い出しました。
Commented by mayumiish at 2008-03-09 00:39
ゆきなびさん そういうお話を聞けるのって貴重ですね。朝日が昇ってくるような明るさとは、本当にすごそうです。今のように情報網がない当時は、他の場所で起きていることがほとんどわからなかったと思うと、なおさら不安だったことでしょうね。

ところで、例の荒俣宏の本を買って読みました!教えていただいてありがとうございました。
Commented by きのこ at 2008-03-10 00:39 x
私の父は、狩野氏と同じく浅草区千束町に住んでいて、東京大空襲に遭いました。
父はそのことを思い出すのも大変辛いらしく、ポツポツとしか語ってくれませんし、いまだに浅草方面にも行きたがりません。
父の母親と姉妹3人(私の祖母と叔母)は東京大空襲で亡くなり、遺体は不明。翌日、おびただしい死体の片付けをしたそうです。
石井さんのお陰で、狩野氏の貴重なお話を知ることができました。どうもありがとうございます。
こちらのエントリーをリンクさせていただいてよろしいでしょうか?
Commented by mayumiish at 2008-03-10 10:02
きのこさんのお父さまが、いまだに浅草方面に行きたがらないというのは、よほどのつらい体験だったことの証人ですね。今日もまたあの日を思い出されるのでしょうか。リンクしていただいてけっこうですよ。ありがとうございます。

Commented by きのこ at 2008-03-10 12:42 x
のちほどリンクさせていただきます。どうもありがとうございます。
とても貴重なお話ですし、いろんな方に見ていただければと思います。
Commented by yuki at 2008-03-11 11:11 x
狩野氏の絵を見ました。とてつもない恐怖が伝わってきて、直視できない絵もあったわ。一口に空襲や戦争と歴史の本などで学ぶときは、そこで亡くなったり怪我をした人たちの無念さや恐怖などを感じさせないし、いかに人がひとを殺すことが恐ろしいことか伝わらないうえに、その中にヒーロー的な要素も含まれています。
こうやって実際に体験した人が後世に伝えていくのは大切なことだと思いました。
狩野氏の絵を見た後に、マユのブログに戻ってきて、”あたごくらぶ”というのを見たとき、”あぶらじごく”と見間違えた。
かなり影響されたらしい。
Commented by mayumiish at 2008-03-12 00:55
ヒーロー的要素といえば、昨日のTV番組の中では、大空襲の爆弾を投下したアメリカ軍人のOB会も紹介されてました。きっと定期的に会合を開いていそう。みな一様に明るかった。一方、以前、真珠湾攻撃のパイロットだった人に会ったことがあって、やはり毎年、同期会のようなものを開いているそうで、ある種のヒーロー意識を持っているような印象がありました。

亡くなった人は声を上げられないけど
被害者側の体験をもっと伝えることが大切ですね。ほんとに。
現在進行中のイラク戦争などにも言えてることだね。
Commented by 花子 at 2008-03-18 00:51 x
申し訳ないですが、「ある意味ニューヨークの911テロよりも大規模な
犠牲者が出ています。」の箇所で「ある意味」という言葉を使う理由がわかりません。どうゆう意味なのでしょうか。
ちなみに東京大空襲の死者は約10万人。911テロの死者は約3千人です。比じゃないと思います。
Commented by mayumiish at 2008-03-18 00:58
花子さん、コメントありがとうございました。
それほど大規模な犠牲者なのに
東京大空襲の独立した追悼施設がない
という意味につなげたかったのですが、
なんだか比べたみたいな表現でしたね。すみません。
犠牲者は、もちろん一人でも大変な悲劇だと
思っております。
Commented by 花子 at 2008-03-18 01:53 x
そうでしたか。。。こちらこそすみません。
大空襲のドラマを観た後だったので悲しい気持ちになり、
意味のわからないコメントをしてしまいました。ゴメンなさい。

そうですね。
あれだけの被害なのに関東大震災の犠牲者の慰霊堂を間借りした形のままだと聞きました。
原爆などと違って大々的に取り上げられる事が少ないですが、
独立した施設があってもいいと私も思います。
Commented by mayumiish at 2008-03-18 07:32
いいえ、ご指摘いただいてありがとうございます。ある意味の部分、消しておきました。
東京大空襲への関心がもっと高まれば、独立した慰霊施設ができるかもしれませんね。
Commented by あんみつ at 2008-03-19 13:25 x
 mayumiishさん、こんにちは。
 TVの番組での一面的取り上げ方で、まるで軍人が人の命をどうとも思わない鬼畜のように思うのはどうでしょう。
 当然上からの命令としてやったことであり、殺してやったということで快感を感じている訳じゃないですよ。
 同じTVでというなら、硫黄島での双方の戦士はなんともいえない傷を引きづりながら今まで生きてきた様子をドキュメントでやっていました。
 勝った米軍側でも日本軍の旧兵士に決して会おうとしない人もいました。精神的に大きなダメージを受ける人はどの戦争でもある話です。
 だから可能な限り戦争を避けなきゃいけないのです。
Commented by あんみつ at 2008-03-19 13:27 x
つづき)
 でも、最近の例で言えば、中国に侵略されてたチベットや東トルきスタン(新疆ウイグル)。ロシアに侵略されたアゼルバイジャンなど、何もしないで平和的に自分の権利を守れるのか?ということも有ります。
 上記の占領国は、絶対その土地を離さないでしょう。

 戦前の日本にしても果たして欧米の強烈な締め付けを受けたまま、日本以外はタイしか独立国が無かったアジアにある日本が独立国として存続しえたのか?何もしなければ他のアジアの国のように欧米の植民地か支配国になったのでは?という歴史的命題があります。
 被害者・加害者という簡単な割り切りはしない方がいいと思います。
 被災した一般人に罪はないということも言えるけど、その人を含めた国民を守る目的が無かった訳ではないのだから。もちろん、一般人を殺す目的で爆撃した当時の米国の犯罪行為は許されないと思いますよ。
Commented by mayumiish at 2008-03-19 23:42
あんみつさん、コメントどうもありがとうございました。立場によって視点もさまざまですよね。
私が思うことは、政治家など一部の権力者の経済的な思惑などによって、国民が加害者・被害者として動かされることが、あんみつさんの言われるようにどちらも悲劇ということです。
他国を侵略することも、国民全体がそれを望むからというのではなく、主に権力者が決定するわけで、その達成のために国民を駒のように動かすために、ある種の共同幻想を持たせて「国のための」という空気を作るのではないでしょうか。
それにしても、有史以前から(?)脈々と続く侵略戦争を見ると、テクノロジーは進化しても、人間はずっと変わらないものなのだろうか、と考えさせられます。


写真家です。文章も書きます ©Mayumi Ishii. All rights reserved.


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