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ハワイ島地震とホノルル大停電

取材の仕事でハワイのホノルルに来ています。なんと、今朝の7時頃にハワイ島に起きたM6.6の地震のせいで、オアフ島のホノルルは夜9時過ぎの今も停電中です。街は街路灯や車のライト以外はほぼ真っ暗。ホテルのエレベーターが使えず、非常階段を使って上り下りです。このホテルは40階建て。私の部屋は「幸運にも」11階です。

今朝は6時半過ぎにホテルを出て、車で取材先のノースショア方面に向かっていました。重そうなグレーの雲が覆う天気の中、とうとう激しい雨が降り始めて、地震が起きた時間はコーディネーターさんの運転するベンツで暴風雨のハイウェイを疾走中でした。なので、地震が起きたことには気づかず、それよりもワイパーを最速にしても足りないような強い雨と舞い上がる水煙による視界の悪さに気を取られていたのです。

雨なので撮影は無理ということで朝食を食べようと、ハレイワにある「コーヒー・ギャラリー」という店に入ると、中が暗いのでまだ開店前かと思いきや、店員の女性が「地震のせいで停電中なの。コーヒーだけあるわよ」とのこと。地震???なんでも大きな地震があってハレイワの町でも大きく揺れたということ。まわりでは口々に地震の話をしています。そこでショーケースにあったマフィンとコーヒーを買って隣の部屋のテーブルで簡単な朝ご飯を食べました。そのうちに続々と人が店に集まり始め、みな口々に大きな地震、と言っているのです。その時点では地震の規模や震源地がさっぱりわからず、店の品物が棚から落ちた様子もないので、大きいといっても、日本人からしたらそうでもないのでは、などと我々日本人は話していたのです。

けれども、午後、ホノルルへの帰り道にカーラジオをつけると、午後の2時というのに番組ではまだ地震の話題で持ち切りでした。ハワイ島では病院の建物が壊れたとか、どこかの会員制クラブでは会員以外でも水などがもらえることなど、地震情報番組となっていました。そこで、地震の規模を初めて認識。どうやらハレイワだけでなく、オアフ島全体が停電らしいということもわかりました。日曜日ということもあってか、街の店は軒並み閉店が多く、なんと道路の信号機まで停電しています。大きな交差点では、それぞれのマナーでなんとかなっているという感じでした。

ワイキキにあるホテルに戻ると、ロビー回りは人々でいっぱいにごった返していました。ホテルは自家発電をしているかも、との密かな期待ははずれ、やっぱり停電していたのです。夕方には電力が戻るらしいという話もありましたが、ダメでした。そこで、念のためにと水や食料の調達に出ることにして、午後5時半頃にライターのTさんと一緒に懐中電灯を鞄に入れて通りに出ました。

まず目に入ったのは、街角に点在するABCストアの前の長い列。みな食料や水を買い出しに来ているようです。近くにあるクヒオ通りのFood Pantryというスーパーに行ってみると閉店していました。そこで、長い行列ができている「Ono ステーキサンドイッチ」という店の列に並ぶことにしました。店からは何やら料理の良い匂いが漂ってきます。なんとか温かい夕ご飯が食べられるかなと思いながら行列に並ぶこと約1時間。停電は続き、日がくれて通りも暗くなり始めました。

行列に並んでいるとさまざまな人が通っていきます。ある男性は、大きなボウルにたくさんのチキンの焼ものを入れて現れ、「家の冷蔵庫(停電中?)にチキンがあったのでもったいないから持ってきた」と言って、行列に並ぶ人々と明るく話しながら一切れずつ配ってくれました。私たちも、つまようじに刺した一切れをもらって食べましたが、難民のような気分というのは、まさにこのことでしょうか。それにしても、こういう時に、フレンドリーなボランティア精神を発揮する人々がいるのはアメリカの良い点かもしれません。

やっと行列の順番が回ってくると、店で買おうと思ったチキンはすでになく、ビーフのサンドイッチのみということ。仕方なくビーフ(当然アメリカ牛?)&マッシュルーム&チーズサンドを買いました。厨房では3人の調理人がフル回転。停電で換気扇が回らず調理の煙や匂いで充満したキッチンで一生懸命作ってくれました。温かいサンドイッチと水を抱えてホテルに戻ると、やっぱりまだ停電中です。プールサイドで食べようかと上の階に行って見ると、なんとホテルがゲストに簡単な無料ディナーをふるまっていました。それを早く言って、と思いながら、ホテルの無料ディナーと買ってきたサンドイッチをたいらげたところで、夜の8時過ぎになってもまだ停電が続いています。仕方がないので、階段をまた歩いて上って11階の部屋に戻り、こうして久しぶりのブログを書くことにしました。

現在は、電気の明かりがついたビルが遠くにいくつか見えます。電気が戻ってきつつあるのでしょうか。そして時々、下の通りから謎の大歓声と拍手が聞こえてきます。町のビルに明かりが戻るのを観察しているのかな。部屋にはまだ電気と水がなく、部屋の中を懐中電灯を持ってうろうろしている状態です。トイレに行きたいときはかろうじて水が流れる1階まで下りていく必要がある様子。

今回のことは、東京で地震や停電になった時の教訓になるかもね、とTさんと話していました。最低でも夜のための明かり(懐中電灯やろうそく)、店が混雑する前に水や食料品を迅速に確保することが大切、と実感しました。

と、ここまで書いたところで、14時間ぶりに電気が戻ってきました!パッと部屋の明かりがついて、階下の道路からは大歓声。やっぱり電気が戻ったことを祝っている人々がいるようです。ホテルの隣の棟にも電気が戻り、バルコニーに出て階下に手を降ったり懐中電灯で合図している人が見えました。水はまだのようですが、そのうち戻ることでしょう。とにかく無事ですので、明日からなんとか取材続行できるといいな。
by mayumiish | 2006-10-16 17:12 | アメリカ・オセアニア | Comments(0)


写真家です。文章も書きます ©Mayumi Ishii. All rights reserved.


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