ノルウェーの船旅フッティールーテン
(北極圏からやや南下して白夜に近い午前1時半頃、日の出を待つ。静寂。(c)Mayumi Ishii)
1月も早くも10日目になりましたね。
今年はブログをもっと更新しますよー(毎年書いているような・・汗)。
昨年、ブログをなまけている間、あちこちの取材旅に出かけていました。その一つ、夏にノルウェー北部のキルケネスから南部のベルゲンまで船で縦断した旅が記事になりました。
『CRUISE』誌2018年2月号。発売中です。
「フッティルーテンのノルウェー 北極圏から南部へ 3つの季節の中を行く」
写真撮影と文章を担当しています。
フッティールーテンとは「沿岸急行船」という意味で、約150年の歴史を持つ船会社です。
船旅取材の仕事を時々しますが、個人的には小、中規模の船が好み。フッティールーテンは、中規模、船内インテリアなどのセンスの良さ、キャビンの快適さ、ダイナミックな大自然の風景、ノルウェー各地の寄港地、そして美味しい食べ物と、個人的にとても好みのクルーズでした。
特に食事が素晴らしい。
寄港地ごとにノルウェーの新鮮な食材を仕入れる「コースタルキッチン」がコンセプトで、ノルウェー自慢のサーモン、マス、オヒョウ、タラ、はたまたトナカイの肉、ノルウェーの野生のベリー、ローカルの美味しいチーズなどがふんだんにメニューに登場し、毎回の食事が大変に楽しみだったのでした。
乗客はドイツ、イギリス、フランス人など欧米人が多かったのですが、リピーターもいて、みな口をそろえて「フッティルーテンの食事は美味しい」と言っていました。
また、記事のタイトル通り、ノルウェー北極圏から南部への旅では、数日間のうちに冬、春、初夏の季節を体験したのがとても興味深かったです。
また、記事のタイトル通り、ノルウェー北極圏から南部への旅では、数日間のうちに冬、春、初夏の季節を体験したのがとても興味深かったです。
乗船するためにオスロから北部のキルケネスに飛んだ時は、グレーの雲が空低くたれこめ、湖が白く氷っていて雪もちらつく冬景色。それでも白夜のシーズンなので、夜になっても真っ暗にならず、夜の10時過ぎ頃になっても、ずっとグレーの空。夜中近くに、サンセットらしい美しい夕映えが一時空を彩り、その後、空はまたグレーのグラデーション。
しかし、船が南下するにつれて雪景色が消え、陸地の木々に緑の葉が増えてきてトロンハイムという町ではすっかりと初夏の陽気になっていたのでした。白夜なのでオーロラは見えませんが、とにかくノルウェーの多彩な季節を一挙に経験できるのは、夏の旅ならではの魅力です。
数日間同じ船上で過ごすので、顔見知りができるのが船旅の特徴。仲良くなったフランス人家族の女性は、かつて数学の教師をしていて、定年退職後に、アフリカ東部のインド洋に浮かぶレユニオンというフランス領の小さな島で、教師を募集していることを見つけたそうです。採用されて、数年間レユニオンに暮らしていた話をしてくれました。身長160センチの私よりもずっと小柄で華奢な女性で、白髪のおかっぱ。話からすると、年齢はきっと60歳代後半かな?「島にとても美しいビーチがあって、毎日泳いでいたの」と、心からなつかしそうに話す彼女の姿を思い出します。
クルーズ中、美しい景色に船が差し掛かった時などに、一緒に船のデッキに立って、「寒いー、でも美しいねー」と。1人旅での取材だったので、それまで知らなかった人と共感できるそんなひとときの時間が楽しいのでした。
ところで、ノルウェーは、世界のジェンダーギャップ(女性の地位の高さ)が2位(2017年)という国です。日本が114位で非常に低いことに比べると、はるかに女性が強いなあと、実際にさまざまな場所で感じました。
ノルウェーは人権や環境に意識が高い国でもあります。フッティールーテンにもそれが貫かれていて、女性の管理職の比率が高く、また、船で働くクルーのお給料について、国籍などによって高低をつけることがないそうです。そのせいか、クルーの人々がみな元気な印象でした。
船に長年勤めているスタッフによると、ノルウェーの企業は基本的に週休2日だけれど今後は週休3日にしようという動きもあるそう。「人生を楽しむためにする仕事だからね。その反対になるのは良くない」ときっぱり。
北海の油田がノルウェーに経済的な豊かをもたらすからの余裕なのか、ノルウェー人のライフスタイルをもっと知りたいと思った旅でもありました。
(ヨーロッパ大陸の最北端近くノールカップの岬。(c)Mayumi Ishii)
by mayumiish
| 2018-01-10 00:28
| ヨーロッパ・アフリカ
|
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by mayumiish
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