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「秩父銘仙」の織物工房へ

先日、埼玉県の秩父にある織物工房を訪問してきました。

「秩父銘仙」という布を織る新啓(あらけい)織物です。
夏の緑深い山々が連なる自然豊かな場所の近くに、その工房はありました。

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(ご家族で工房を営む「新啓織物」2代目の新井教央さん)

織物の模様は通常、絣織りなどのように、染色された糸を織って模様にしていくか、無地の布を織った後に模様を染めて作られますが、秩父銘仙はそのどちらとも違っていました。

銘仙の技法は、1600本からなるたて糸をピンと張った状態にして、まず型染めなどで模様を染めます。それを機織り機にセットして、横糸を平織りして模様を完成させるのです。とてもユニーク。

工房を訪問する前、どういう織物か言葉で聞いただけでは想像しにくかったのですが、百聞は一見に如かず。動く機織り機を目にして、どのように銘仙の布が生まれるのかやっとわかりました。
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(たて糸に模様を染めた状態)

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(そこに横糸を織っていく)
1、2ミリずれるだけでも模様が壊れるため、大変に緻密な作業を必要とする織物です。100年以上の伝統を持ち、明治中期から大正モダンブーム、昭和初期頃に大変人気だったとか。

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(たて糸を染める前には、糸がばらつかないように、横糸をざっくりと仮織り)
本織りの時、これをほぐしながら織っていくので「ほぐし織り」とも呼ばれるそうです。

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横糸の準備。伝統的な木製の糸巻きがなんとも良いのです。

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この日は染め物職人さんのために白い無地の反物を織る日。生糸がきっちりと巻き付けられていきました。

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さらに小さいボビンに巻かれた横糸を、シャトルまたは杼(ひ)と呼ばれる道具にセット。これを機織り機でたて糸に通して織っていくのです。

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新井さんいわく、昔はこれをかかえて眠る人もいたほど大事な道具の一つ。内側についているのは猫の毛!糸のすべりを良くするためだそう。

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新井さんの奥様、園恵さん。白無地の反物を織っている最中。機械織りですが、不具合がないかをずっと見ていることが大切だそうです。ガチャンガチャンと規則正しく動く織り機のかすかな音の変化によっても、きっと状態を感じ取ったりするのかも。

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木製の織り機を支える、どっしりとした鉄製の歯車。

ふと上を見ると
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機械とつながる長いベルトが回り、織り機の歯車を動かしていました。

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織り上がった絹の反物。手織りのような風合いがあって、温かみのある魅力を感じます。ここにどんな染め物が施されていくのかな。とても楽しみです。

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生糸。絹は不思議で本当に美しい!

工房の中をあちこち見せていただくと、長い間ずっと丁寧に使ってきたに違いない道具の一つ一つもとても味わい深くて、新井さん一家が大切にするものづくりの心が見えるような、なんだかほっとする空間でした。

この日はもうすぐ七夕(8/7)ということで、工房の外に葉ぶりのよい竹が立てかけられていました。織物工房にとっては「織り姫」が登場する七夕のお祭りは欠かせないのです、と園恵さんが教えてくれました。なるほど!短冊を用意していただいたので、私も願い事を書いてきましたよ。何を書いたかは秘密です(というほどでもないですが 笑)。

みんなの願い事がどうか無事にかないますように!
by mayumiish | 2013-08-12 01:12 | 日本 | Comments(0)


写真家です。文章も書きます ©Mayumi Ishii. All rights reserved.


by mayumiish

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