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「暗がりのあかり」チェコ写真の現在展へ

東京は今日も猛暑です。空には朝から夏雲。

先日、銀座資生堂ギャラリーで「暗がりのあかり/チェコ写真の現在展」を観てきました。
チェコ共和国で注目を集める写真家10名による約50点の作品です。

チェコは東欧、スラブ文化圏における芸術文化の中心で、ロシア、EUなどにも影響を与えたとのこと。今回は、そんなチェコの写真文化を紹介する日本初の展覧会だそうです。そのせいか、新しい写真はむしろ少なく、1980年代の写真もけっこうあり。

チェコの写真文化はモノクロ写真を主流に発展したそうで、会場の作品も多くがモノクロ。黒と白のグラデーションの中に、東ヨーロッパ的な抑えられた光のトーンが醸し出されているようで興味深かったです。室内撮影でも気候の影響を受けているようなトーン。当時の政治的背景の影響も?独特の空気感をたたえるIvan Pinkavaのモノクロ写真が気になりました。

2000年代以降のカラー写真は、逆にパキッと明るい作風も多かった。面白いと思った作品はDita Pepeの「Self portrait with men」シリーズと、Tereza vickovaの「Two」シリーズ。どちらも若手の女性写真家です。通常は作り込んだ写真はあまり好きではないのですが、両者ともその徹底ぶりとテーマが面白い。

「Self portrait with men」は男性と一緒に写真に収まるセルフポートレート。各職業、社会的な立場にいる男性のパートナーや家族という設定の衣装をDita Pepeが着ているのです。芸術劇場のディレクター風男性、リンゴ園の農夫、マイホームパパ、ホームレス風男性などなどのパートナーという雰囲気がにじみ出た衣装と雰囲気が絶妙。着眼点と分析力が見事です。会場には展示されていませんが、Dita Pepeの作品には、女性と一緒に写るセルフポートレートシリーズもあるそうです。「Two」は一見、双子のポートレート群かと思いきや、作品の中にはCGで双子を演出したものもあり、思わずじっと作品を見てしまいます。どちらもコンセプト的な写真かな。

写真展「暗がりのあかり」のオリジナルタイトルは「Darkness for Light」。個人的には「光のための暗やみ」とか「光にとっての暗やみ」のほうが意味がしっくり。最終日は8/8(日)です。

「暗がりのあかり」チェコ写真の現在展
SHISEIDO GALLERY(銀座)

2010年6/19 - 8/8 (無料/月休)

写真展を見た後、東欧つながりで、ギャラリーからすぐ近くのルーマニア料理レストラン「ダリエ」でランチをして帰りました。なかなか美味しかったです。
by mayumiish | 2010-07-28 13:23 | アート | Comments(0)
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