Google Arts & Culture に - 長板中形 -

4月ですね!
東京あたりの桜は今週末が満開でしょうか?
そろそろ本格的に暖かくなりそうですね。

たまにはお仕事の報告を。
Google Arts & Cultureというウェブサイトが日本の手仕事を
紹介しているのをご存知ですか?
その中で、最近一つの手仕事について撮影を担当しました。

長板中形という染物です。
伊勢型紙を使い、藍染の美しい染物を作り出す熟練の染物職人さん、
松原伸生さんの工房での撮影です。
執筆は日本の手仕事に造詣が深く、著作も多い田中敦子さんです。
リンクを貼るのでご覧くださいね。
このサイトには紹介されていませんが、松原さんが染める単衣の藍染の着物は
藍の色合いが大変に美しく、また、伝統的なデザインでありつつ洗練されていて
とても素敵なものばかりです。
着物を着られる方は、きっとご存知でしょうか?





# by mayumiish | 2017-04-04 00:19 | 日本

館山の手仕事

もうすぐお彼岸ですね!
早く本格的に暖かくなってほしいものです。

先日、取材の船旅をしてきました。
クルーズ船で名古屋港を出発し、伊豆半島や遠州灘を越え、房総半島南端にある千葉県・館山港までのショートトリップ。

取材の合間、海辺を少し散策。夕日桟橋という名の長い長い桟橋を歩いて館山に上陸しました。その長さ、海岸から500メートルとのこと。滞在したのは数時間でしたが、面白かったのは海沿いに立つ「渚の駅 たてやま」。中に「渚の博物館」があり、ミニ民俗学博物館のような感じで、漁業で発展してきた町ならではの興味深い展示物がいろいろありました。

中でも見応えがあったのはこれ。
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万祝(まいわい)と呼ばれる、大漁を祝う晴れ着だそうです。とても味わいのある絵柄や色彩だなあと、足を止めてじっくり見てしまいました。
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作り方も説明されていて、型紙を使って染めるそうです。型紙を見ると茶色い柿渋で、まるで伊勢型紙のよう。
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思わぬ場所で手仕事の美を見つけてうれしくなったのでした。今でも作られているのでしょうか。だとしたら誰が作っているのか興味大。

また、意外なものも発見しましたよ。
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なんと、フランス人のフリーダイバー、故ジャック・マイヨール氏がかつて館山に別荘を持っていたそうで、そこで彼が使用していたタイプライターが展示されていたのでした。マイヨール氏は、私の好きな映画『グランブルー』のモデルになった人でもあり、館山に別荘を持っていたことに驚きましたが、ダイバーやマイヨール氏のファンには知られていることなのかな・・?

短い滞在だったので、今度は陸路で館山を再訪して、じっくり町を散策してみたいですが、まずは旅仕事の原稿書きです。



# by mayumiish | 2017-03-16 03:47 | 日本

ラオスが舞台の映画です。『逆行』

3月ですね!
ひと雨ごとに春が近づいてくるのを感じます。

先日、試写会で映画『逆行』を観てきました。原題は「RIVER」。

送られてきたチラシによると「異国の地でのバカンスが・・・。逃亡者となった若きアメリカ人医師が、絶望的な疾走の果てに迫られる重大な決断とは・・・」とありました。

逃亡者のロードムービー?ということ以外、それほど予備知識がないまま映画のチラシをよく読むと、舞台がラオスとあり、さらに興味を持って観ました。

ストーリーは、ラオスの小さな村にあるNGOの病院で働く若いアメリカ人医師が、ふとしたことがきっかけで殺人を犯してしまい、警察に追われる身となってしまいます。医師を演じるのは、ロッシフ・サザーランド。同じく俳優のキーファー・サザーランドの異母兄弟だそうです。映画の最初のほうで事件が起こり、そこからずーっと逃げる逃げる。村から首都ビエンチャンに行き、メコン川を渡って・・・。最後に「なるほど、そうなんだ?』という意外な結末になるまで、ストーリー展開の読めないドキドキの緊張感が続くのでした。監督はジェイミー・M・ダグ。ミュージックビデオ制作から映画に移り、この作品が初の長編作とのことです。そういえば、セリフが少ない部分でミュージックビデオのワンシーンのような場面があり、ああ、やはり音楽のビデオを作ってきた人なんだな、と納得しました。

舞台がラオスということで、どんな風に描かれるだろうと思っていたら、逃亡者としての心象風景を現実に投影するとこうなのだろうというものを表す意図だった気がしました。ラオスの田舎は緑が多く、大変にのんびりとした場所で、特にメコン川が流れるエリアは山並みなども美しい風景なのですが、逃亡者の目には入らないかのように、重い重金属的な音楽が使われ、全体に重苦しい雰囲気を出していました。そういう意味では効果的な音楽の使い方。また、夜のシーンや怪しげな表情を醸すラオス人など、きっと欧米人の目に映るアジアのイメージなのだろうと思える質感や断片を、印象的に切り取っていました。

ストーリーはここであまり書きませんが、主人公をはじめ、助演の俳優たちもみないい味を出していました。病院の車を運転する役割の男性を演じるラオス人の俳優は、映画プロデューサーや脚本家でもあり、ラオスの近代映画のパイオニア的な人とのこと。また、短い登場ながら、安定感ある印象的な雰囲気を感じたバーテンダー役の俳優は、他の映画で最優秀主演男優賞を受賞したことのあるタイ人の俳優とのことです。

監督のインタビューを読むと、突然暴力に巻き込まれる医師を通して、人間の無関心や、秘められた暴力性にも焦点を当てたとのこと。ロードムービーとして、また人間の心理や行動力、倫理感を考えさせる映画としても面白い作品でしたよ。
今月3/11から公開とのこと!



# by mayumiish | 2017-03-04 05:19 | アジア

さようなら、ディック・ブルーナさん


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だれでも一度は見たことがあるのではないでしょうか。「ミッフィー」。オランダでは「ナインチェ」(小さなウサギ)と呼ばれています。日本では「うさこちゃん」という名前で1964年に初めて絵本が紹介されたそう。

シンプルな線と明るい色彩で描かれた絵本の白ウサギ、ミッフィーの作者は、オランダのグラフィックデザイナー&絵本作家ディック・ブルーナさん。1955年なんと62年前に生まれたキャラクターです。

そのディック・ブルーナさんが2月16日、89歳でお亡くなりになりました。ニュースを知って、数年前にオランダのユトレヒトへ、ブルーナさんゆかりの地を取材に行ったことを思い出し、とても悲しくなりました。

旧市街にブルーナ・ハウスという博物館(2016年にミッフィー・ミュージアムとしてリニューアル)があり、世界何十カ国語にも翻訳されたミッフィーの絵本が天井に届くほど壁一面に展示されたのを見て、ミッフィーが世界中で愛されているんだな、としみじみ思った記憶があります。ブルーナさんはグラフィックデザイナーとしても活躍していて、本の装丁作品や、ミッフィー以外のキャラクターなども展示され、とても楽しく充実した博物館でした。

ユトレヒトは当時、ブルーナさんが住んでいた町です。通りを行くと、世界唯一(たぶん)のミッフィー型の信号機が立ち、またブルーナさんがコーヒーを飲みに通っていたカフェ、お菓子店などもありました。アムステルダムよりもこじんまりと小さい大学町という雰囲気で、旧市街など私もとても好きな街なのですが、ブルーナさんの訃報に、地元の人たちはきっとことさら悲しんでいることだろうな、と思いをはせています・・・。
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(写真はユトレヒトにて。上から:ミッフィー型の横断歩道用交通信号、ブルーナさんデザインの切手が買える切手店、旧市街の通り © Mayumi Ishii)








# by mayumiish | 2017-02-23 01:00 | ヨーロッパ・アフリカ

映画『スノーデン Snowden』

先日、映画『スノーデン Snowden』を観てきました。

エドワード・スノーデン氏が誰なのか知らない人のために書くと、彼はアメリカ国家安全保障局やCIAで、インターネットによる情報収集のエキスパートとして勤務していた人です。アメリカ政府が世界規模で個人のプライバシーを収集し、それをアメリカの利益のために悪用していたことを知り、信頼のおけるジャーナリストを通じて世界に告発した人です。そのニュースは2013年、最初に報じたガーディアン紙をはじめ、世界のメディアに取りあげられ、スノーデンが自分の名前を隠さなかったことでさらに大ニュースになりました。

当然、アメリカ政府はスノーデンを見つけて捕らえようとしたのですが、その時、彼はすでに香港に。人権弁護士などにかくまわれながら香港を脱出、モスクワ経由で南米に渡ろうとした時に、アメリカ政府が彼のパスポートを無効にしたため、モスクワから他の国に出られず。しかし、ロシア政府が滞在許可を彼に与えたため、2013年以来、モスクワに滞在しているのです。今年の1月に、さらに3年間延長の許可が出て、2020年までロシアに滞在できるようになったとのニュースを先日読みました。

スノーデンが最初にコンタクトしたジャーナリスト、グレン・グリンウォルドが当時のいきさつやスノーデン氏の告発内容などをまとめて書いた本「暴露:スノーデンが私に託したファイル」があります。これを読んでアメリカ政府の行い(日本ももちろん情報収集の対象)に驚いたとともに、スノーデン氏の勇気、行動力、頭脳明晰ぶり、そして何より、当時30歳の若さでこれまでの生活を捨てる覚悟や思いに心が動かされました。

ジャーナリストのウォルドとともにスノーデンに会っていたビデオジャーナリストもいて、その人、ローラ・ポイトラスが、香港でスノーデンを撮影したドキュメンタリー映画もあります。『シチズンフォー CITIZENFOUR』。これはすでにDVDにもなっていて、なぜかYou tubeにも全編アップされているのです。しかも数カ国語の言語や字幕で。なので私は日本で公開される前にYou tubeで観てしまいました。今も削除されていないのは、もしかすると、映画の製作サイドの判断なのかも?なるべくたくさんの人に見てもらいために?個人的な憶測ではありますが・・・。映画には、スノーデン本人が登場して思いを語ったり、ジャーナリストたちとのやりとりが生々しく映っていて見ごたえあり。

そして本題。
ふぅ、説明が長くなりましたが、『スノーデン SNOWDEN』は、これら一連のできごとの前、彼がアメリカ国家安全保障局などに勤務していた頃にどんな仕事をして、またどんな理由でアメリカの行いを暴露するに至ったのかという過程を描いた映画です。

スノーデン役を俳優のジョセフ・ゴードン・レヴィットが演じています。監督は、社会派の映画をたくさん作ってきたオリバー・ストーン。スノーデン本人をメディアのインタビューなどでたくさん見てきたので、最初は俳優が演じていることに少し違和感がありましたが、数分で消えました。ジョセフ・ゴードン・レヴィットが好演。話し方などもとてもよく研究していると感じました。映画ではスノーデンがアメリカ国家機関の仕事をしていた頃のエピソードが複数描かれ、普通の良心を持つ人なら抱く疑問や違和感、それを自身の昇進のために抑える(きっと多くの職員はそれを選択)ことなく、世界に公表しようと決意していく流れ、そしてその後は『CITIZENFOUR』にも映っているようにジャーナリストとの接触などが描かれていきます。

ここではあまり詳しく内容を書きませんが、スノーデンは日本に赴任していたこともあり、日本政府に対するアメリカの態勢なども出てきます。とにかく、アメリカの情報収集プログラムでは、世界中のほぼどこでも人のプライバシーを暴くことができることがよくわかりました。特に、映画にも出てきますが、PCについている内蔵レンズは、PCのスイッチが入っていなくても、そこに映るものを見ることができるそうです。まるでフィクション映画のようなことが、事実に基づいたストーリーなので、ぞっとしました。ちなみに、私の全部のPCにも、内蔵レンズの部分に不透明テープを貼りました。この映画を観た人は、きっと同じようにするかも?スノーデンがいつも言う言葉に同感。「自分は隠す事が何もないから構わないという人は、自分のプライバシーの権利を放棄しているというに等しいのです」。映画のストーリーは少し急ぎ足なのですが、先に上記の本を読み、ドキュメンタリー映画を観ておくと話の内容がわかりやすいと思います。欲を言うなら、告発しようと決心する部分をもう少し深く描いてほしかったかな。

『スノーデン』が興味深いのは、『CITIZENFOUR』にも少し出てくる恋人のリンゼイ・ミルズさんとのラブストーリーでもあるということです。もちろん実話の。ミルズさんはインスタグラムもやっていて、写真を見るととても美しく、自由な魂を持った人という印象。国家の秘密を暴いて追われる身になった恋人との愛に、共感と涙・・。映画の中でも、ミルズさんを演じる女優さんがそれをたっぷり演じていました。

スノーデン氏のツイッターのプロフィールには「以前は政府のために働き、今は公共のために働いている」とあります。その行動に世界中の多くの人が共鳴し支えています。私も。最近、ロシアがスノーデン氏をアメリカに引き渡すかもしれないとの噂があるというニュースを読みましたが、単なる噂であってほしいな・・・。

すっかり長く書いてしまいました。おすすめの映画です。














# by mayumiish | 2017-02-13 01:04 | アメリカ・オセアニア

写真家です。文章も書きます cMayumi Ishii. All rights reserved.


by mayumiish

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