石井真弓のブログ◎Apertures mayumii.exblog.jp

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by mayumiish

写真の相談教室をしました


東京はすっかり秋の気配ですね。昨日は初めて一対一でのプライベートな写真相談教室をしました。

来られた方Fさんが独自にずっと同じテーマで撮影してきた写真などのプリントを拝見し、評価をしつつ心構えや練習の提案をした形です。人物を撮影する時の気持ちが伝わってくるような作品もあり、たくさん見せてもらいました。

今回は、人物を撮影する場合にFさんの問題点などを聞いていくつかアドバイス。望遠レンズで遠めから人物を撮影することが多いそうなのですが、100ミリなどのレンズで撮影する時は、シャッタースピードが遅いと手持ちではブレやすいです。また、被写界深度が浅くなりがちなので、すばやく撮る場合などでは、フォーカスも難しいのです。

また、人間の目では3次元で立体的に見えますが、写真は平面、2次元です。ファインダーを見る時、それを考慮する必要があります。そして、目は主観的なので被写体だけを見がちですが、レンズはファインダーに入ったもの全部を写します。その結果、せっかくの主体が引き立たずに、思ったような写真にならないことが多いのです。

撮影する場合は、被写体だけでなくファインダー内に見える物全部、特に背景や光に注意をして、思い切りシンプルで強いラインの構図を目指します。それでも目に入らないような物をレンズは写すので、ちょうど良くなると思います。

あと、グラフィカル的に面白い形だけを切り取って撮影する練習をおすすめしました。物を情報的に見ず、あくまでグラフィカルな視点からだけでポイントを探すのです。これは楽しく、とても役立つ練習だと思います。そんな見方が身に付くと、すばやく写真を撮らなければならない場合でも、とっさに良い構図を取れるようになると思います。

今回は、私がニューヨークでモノクロ写真を勉強していた頃にとても役立った本を持って行ってお見せしました。「New guide to better photography」。著者は写真家のベレニス・アボット(Berenice Abbott)です。1953年に書かれた古い本ですが、私のひそかなバイブルです。ニューヨークにいた頃にどこかで推薦されて知ったのですが、当時、書店にはもちろんなくて、ニューヨーク市立図書館で見つけて、ページをコピーして何度も読んだものです。

数年前、アマゾンの米国サイトでその古本を発見。アメリカから取り寄せて、宝物のように大切に持っています。これまで門外不出(?)で誰にも見せたことがなかったのですが、参考になるかと持って行きました。その際、もう一度読み返してみたら、今のデジタルの時代になっても役に立つような内容です。やはりフィルムで撮影したくはなりますが。技術的なことの他に、写真を撮るという行為の心構え、構図の注意点などが基礎から載っていて、私も本を読み返すきっかけになり感謝しています。

Fさんが街角での撮影を多くするので、参考になるかと、私の好きなイギリス人写真家ロジャー・メイン(Roger Mayne)の写真を見ることもおすすめしました。昔の名写真家の作品をたくさん目にすることは、写真を学ぶ上で参考になると思います。
Roger Mayneの公式サイト

いつもは撮影してばかりですが、写真を教えることは私にも良い勉強になりました。Fさんに感謝です。

また機会があれば、相談教室を行いたいと思います。
by mayumiish | 2009-10-25 13:23 | Photography | Comments(0)