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「昭和の風貌」写真展へ

急な秋の深まりを感じる東京ですね。なんとなくセンチメンタル。

昨日、フジフィルムスクエア(東京ミッドタウン)で開催中の写真展
「昭和の風貌(かお)」ー時代を作ったヒーローたちー展(9/17~9/30)を見てきました。

濱谷浩や土門拳など、昭和に活躍した6名の写真家が撮影した
モノクロ写真のポートレート群。
面白い!
作品の点数が多くて見ごたえがあります。

印象に残った写真は、
横山大観。明治元年生まれの彼のポートレートがあるとは。
生活感がうかがえるような背景の雰囲気も興味深い。

棟方志功。濱谷浩撮影。版画の大家らしからぬ奔放な遊び心あるカット。

坂口安居。部屋中に散らかった紙くずや新聞の切れ端の中にいる彼。
演出なのか?今の時代だったら、「片づけられない男」の部屋。

志賀直哉。土門拳撮影。瞳。川端康成と対照的なまなざし。

また、用の美を唱えた柳宗悦や、北大路魯山人など当時のセレブリティー。
ざらっとした土の手触りのような雰囲気、骨太なイメージ。
当時に比べると、現代は美的とされるもののイメージが変わってしまい、
スマートさ、金属的、シャープさが主流(?)になった感があります。主観ですが。

全体的に、展示された写真がモノクロということもあって、
人物の眼差し、たたずまいが強く醸し出されていました。
昭和の日本人の骨太な感じ、いいな。
作家など各人のこだわり、個性を今よりも発揮しやすかったような雰囲気。
また、フィルムの時代なので、一枚一枚の撮影にかける時間や労力が違うかも。

記録写真としても非常に面白く、
衣服やインテリアなどに、時代背景が色濃く表われていました。
神保町古本屋の中か?みたいな状態で、作家などが書籍の山脈に囲まれている
室内風景も多く、印刷媒体が主流だった時代がしのばれます。

会場で知ったのですが、ミッドタウン近くのホテルアイビスではちょうど、
「學藝諸家肖像 濱谷浩展」(9/9~11/9)を開催中。そちらも見に行きました。
1階の入り口付近に17点の作品。
「昭和の風貌」展に、濱谷浩が撮影した鈴木大拙のポートレートがありましたが、
ホテルアイビスの展示場には、同じ時に別アングルで撮影した作品があって
面白かったです。セレクションの妙。
また、書道家の會津八一のポートレートも違ったカットで
双方の会場に展示されていました。

「昭和の風貌」と「學藝諸家肖像 濱谷浩展」セットでおすすめです!
by mayumiish | 2010-09-24 10:55 | アート | Comments(0)
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